書評:志駕晃著「スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス」

書籍

はじめに

2020年3月現在、2作目の「囚われの殺人鬼」が映画公開中ですが、3作目の表題作を読みました。
毎回、情報化社会の怖さと、二転三転する展開に驚かされる作品ですが、本作もいろいろと驚かせてもらいました。

簡単なあらすじ

人材派遣会社で働く女性が公園で落ちていたスマホを拾い、落とし主の男に無事渡します。
その後、その男とレンタルビデオ店で再会。
運命的なものを感じ、ついには同棲まで始めます。
もちろん、そんな偶然があるわけなく、この男は後に正体を偽っていたことがわかります。
一方、前作では警察に協力したものの行方不明になっていた天才ハッカー浦井(本名は不明)は、北朝鮮に渡っていました。
北朝鮮からの指示は東京オリンピックへのサイバー攻撃です。
今作では主人公の刑事、桐野とこの浦井との対決が主軸となりますが、味方の中に敵のスパイがいたり、一作目の主人公とヒロインが夫婦として登場し、ヒロインはまたひどい目にあうなど、盛りだくさんの内容となっています。

私的感想

前作まではホラーの要素が強かったように思います。
つまり、スマホを落としただけで、こんな恐ろしい目に遭うかもしれないという、リアリティのある怖さですね。
今回はそちらの要素は低めで、スケールの大きな話になっていました。
もちろん、北朝鮮に関する描写や、火力発電所が制御不能にさせられてしまうところ、ドローンを使ってオリンピック会場にサリンを撒くのではないかというところなど、それはそれで怖いものがありましたが。
ただ、身近な話ではなく、ハリウッド大作映画を見ているような感じでしたかね。

2020年の東京オリンピックの頃を舞台にしているので、今読むと非常にタイムリーな面白さがあると思います。
本当にオリンピックがこういう攻撃を受けたらどうするのだろうかとか、警察はそこまで警戒しているのだろうかという疑問も持ちました。
ハッカーの男は狙撃されますが、また行方不明になって消えます。
続編がおそらく描かれるのでしょうが、ここまでスケールが大きくなると、次はどうするのだろうかという余計な心配をしてしまいます。

作者得意の最後に二転三転する展開は今回も健在で、「ああ、やられた」と思ってしまうこと請け合いです。
文章も読みやすくスラスラと読めるので、ジェットコースタームービー的な面白さを多くの人に味わってほしいですね。

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