書評:北野武第一短編集「純・文学」一番面白かったのは実録小説でした。

書籍

基本事項

芥川賞と直木賞を同時受賞すると宣言され、意欲的に小説を書いておられるビートたけし氏。
この本は北野武名義で短編小説が5本収録されています。
ビートたけしと北野武の名義使い分けについてはよくわかりません。

収録作品

『ホールド・ラップ』
『実録小説 ゴルフの悪魔』
『誘拐犯』
『粗忽飲み屋』
『居酒屋ツァラトゥストラ』
最初の2本は雑誌に掲載されたもので、後の3本は書き下ろし作品です。

各作品あらすじ

『ホールド・ラップ』

売れない漫才師の男がバイトをしながら世の中を嘆いている作品です。
おそらく、若い頃の自身となぞらえているのだと思います。
途中、社会風刺的なラップが何度も記述されています。

『実録小説 ゴルフの悪魔』

今は亡きO橋K泉さん(原文表記のママ)について、主に書かれている小説です。
実録というだけあって、実にリアルです。
石坂浩二さんや長嶋茂雄さんも少し登場しますが、基本的にはO橋K泉さんのなんとも言えないアクの強さが目立つ作品です。

『誘拐犯』

金持ちの坊っちゃんが誘拐される話で、たまたまその場に刑事が居合わせて、極秘裏に捜査を進めるという話です。
最後にどんでん返しがありますが、残念ながら、予想できるオチでした。

『粗忽飲み屋』

落語の粗忽長屋からヒントを得ているのかと思われる作品で、最後に自分が誰なんだろうというような話になりますが、基本的には飲み屋に集まった粗忽者たちが酒を飲みながら、ああでもない、こうでもないと話し合っている内容です。
会話の内容は、作者らしく、いろいろ毒が入っており面白かったです。

『居酒屋ツァラトゥストラ』

上記の『粗忽飲み屋』に似たような感じの話ですが、序盤作者得意の理系的な知識が出てきます。
少し難解な話かなと思いました。

私的感想

個人的には『実録小説 ゴルフの悪魔』が面白かったですね。
やはり、リアルな話なのと、登場人物がイメージしやすいからではないでしょうか。
作者として、それが一番と言われるのは複雑かもしれませんが。
直木賞や芥川賞と言われると違うとは思いますが、どの作品も読みやすく、楽しく読むことができました。
興味を持たれた方はぜひ手にとってみてください。

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